2007年10月
9月6日に日本(JSAT社)のJCSAT-11通信衛星の打ち上げが行われ、失敗したのは記憶に新しいところです。この時は「カザフスタン、自国でのロシア製ロケット打ち上げ失敗に強く反応」で扱ったように、カザフスタン側がかなり強い姿勢を見せており、どうなるのかと思ったのですが結局さらっと流されたようです。
はじめに挙げた記事は10月24日のものですが、これによればカザフスタン政府は汚染された地域の解毒処理完了を確認したとして、ロケット打ち上げ禁止措置を解除しました。これはロシア側の衛星打ち上げタイミングに合わせられており、10月26日にはグロナス(GLONASS)測位衛星の打ち上げが早速行われました。
ところで結局弁償額はいくらになったのでしょう?
このニュース、なぜか英語のニュースサイトで見つけられませんでした。それはともかく、「嫦娥」月探査機の打ち上げに用いられた長征3号A型ロケット(Long March 3A)の一部が落下したようです。
中国新聞社電は「残骸の落下地点は当初の計画の範囲内。当局が適切な住民退避措置を講じていたため、負傷者は1人も出なかった」と強調している。
民家に残骸が落ちるのが計画の範囲内というのがすごいところですが、犠牲者が出なかったようでなによりです。
今度、海南島に作られるロケット打ち上げサイトについては、次の記事によれば6,000人が移住させられるようですが、その分、民家への直撃が計画されることはないのでしょう。
元記事タイトルは「製造(build)」となっていますが、マレーシアの宇宙技術水準や実績から考えて、調達(つまり他国からの購入)が本当のところでしょう。
目的を国家保安や軍事としているので、調達するにしても完全にマレーシア政府がコントロールできることが重大な要件となります。アメリカは長く衛星輸出管理を極めて厳格に管理していることから、ヨーロッパ勢(アストリウム(Astrium)とタレス・アレニア(Thales Alenia))が有力そうに見えます。
いずれにせよ予算確保などの情報がないことから、現状はまだ願望表明やバルーン(発言への反応観察)の段階といえます。
(同日の追記)
マレーシアのサイト(New Straits Times)に同じ項目についての記事がありました。
なんだかMeasat通信衛星(マレーシア所有)もマレーシア製とか書いてあったり(本当はアメリカ製)、ジャマルディン・ジャルジス科学技術発明大臣(Jamaludin Jarjis)は本気で国内で衛星を作るつもりらしく("it(=The new communications satellite) will be built by Astronautic Technology")、何か基本的な認識の相違がありそうです。例えば、打ち上げ予定がとても先だとか。
アメリカのスパイ衛星を調達・運用している組織であるNRO(National Reconnaissance Office、国家諜報局)の局長に、これまでの第1副局長であったスコット・ラージ氏(Scott Large)が指名されました。これまでの局長はドナルド・カール氏(Donald Kerr)でしたが、今後の行く先は書かれていません。
NASAというと、どうしても「宇宙」という印象が強いのですが、その名前(アメリカ航空宇宙局)が示す通り航空分野も対象ですし、いくつかの先進的な航空実験も行っています。
しかし、そのNASAが集めた航空安全性に関する情報は現在非公開とされています。その理由は「調査結果を公開すれば人々の航空路線に対する信頼を傷つけ、航空会社の利益に悪影響を及ぼす可能性がある」というもの。
何か悪い冗談にしか見えないのが困り物です。
宇宙分野での安全性はどうなのでしょうね。この場合、NASA自身の信頼性が問われるわけですが。
中国において、政府機関と民間企業が宇宙分野で協力することを許可する法律が来年成立する可能性があり、それによっては中国の打ち上げサイトを民間が利用したり、極端な話「神舟(Shenzhou)」を商業的に飛ばすことすらありうる、のだそうです。
まだかなり飛行ごとの準備が必要と思われる「神舟」を商業的に飛行させるというのには疑問なしとはしません。まして中国は(少なくとも宇宙関連では)非常に閉鎖的ですし。まあ実現したらデモンストレーション効果は抜群ですが。
ジオアイ社(GeoEye, Inc.)は元々オービタル・イメージング社がスペース・イメージング社を買収してできた会社です。超概略の経緯としては:
- 1991年、オービタル・イメージング(Orbital Imaging、ORBIMAGE)設立。オービタル・サイエンス(Orbital Science)による。
- 1994年、スペース・イメージング(Space Imaging)設立。ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)とレイセオン(Raytheon)の共同。
- 1999年、スペース・イメージング(Space Imaging)、初の高解像度商用リモートセンシング衛星イコノス1(Ikonos-1)を打ち上げるが失敗。
- 同じ1999年、上で失敗したIkonosと似たIkonos-2衛星が打ち上げに成功、番号なしの「IKONOS」に名称を設定。
- 2002年、ORBIMAGEは会社更生法の適用を申請。
- 2003年、ORBIMAGEはオーブヴュー3(OrbView-3)を打ち上げ。
- 2003年、ORBIMAGEは会社更生法による裁判所保護から離脱。
- 2005年、ORBIMAGEがSpace Imagingを買収。Space Imagingはアメリカ政府からの次世代衛星開発支援契約を受注しそこなっており、経営困難に直面していた。
- 2006年、ORBIMAGEはブランド名を「GeoEye」に変更
今回の契約は、彼ら言うところの「第3世代衛星」であるGeoEye-2です。その前にあたるGeoEye-1は来年(2008年)の打ち上げ予定となっています。おそらく、第3世代というのは解像度が1m程度のものを「第1世代」、50cm程度のものを「第2世代」、25cm程度のものを「第3世代」というのでしょう。
しかし(軍からの資金を受けているとはいえ)民間で運営されるリモートセンシング衛星が最高で25cmの解像度をもつのはすごいことです。現在世界最高の解像度はアメリカのスパイ衛星KH-12の15cm以下程度(推定値)であることを考えると、いよいよ限界に近づいてきた感じでしょうか。
「ATK、スウェールズ(Swales)買収意思を表明」でも扱ったATK(アライアント・テクシステムズ、Alliant Techsystems)社がアメリカ国外での買収を検討しているという話です。
ATKは宇宙関連では固体燃料ロケット(例えばスペースシャトルの打ち上げ時についている固体モーター)のメーカーとして知られていますが、記事中では主要な買収対象として「衛星、代替燃料、商業的航空宇宙」が挙げられています。さらに「衛星ビジネスをヨーロッパおよび中東ではじめるための初期的交渉を既に開始している(Alliant has begun initial discussions to start satellite businesses in Europe and the Middle East.)」との記述も見られます。中東が含まれることから、衛星というのは衛星放送サービスのことと推測されます。
「NASA、商業的な宇宙ステーション補給契約先の1つを解除へ」で扱った、ロケットプレーン・キストゥラー社(RpK=Rocketplane Kistler)の契約解除が実際されました。
RpK社については、その親会社(ロケットプレーン社、Rocketplane Inc.)の下にある別の会社である「ロケットプレーン・グローバル(Rocketplane Global)」には影響せず、そちらが開発中の宇宙旅行用の機体「XP」に集中できるとしています。お金あるんですね。
RpK社については、その親会社(ロケットプレーン社、Rocketplane Inc.)の下にある別の会社である「ロケットプレーン・グローバル(Rocketplane Global)」には影響せず、そちらが開発中の宇宙旅行用の機体「XP」に集中できるとしています。お金あるんですね。
アメリカ第2位の衛星放送社であるエコースター(EchoStar Communications Corp.)について、かの電話会社AT&T(ロゴは小文字のat&tですが、社名としては大文字のようですね)が291億ドル(約3.4兆円)で買収する可能性ありという予測です。予測を行った研究者によると、AT&Tは既にゴールドマン・サックス(Goldman Sachs Group Inc.)に買収の検討を依頼したとか。
これに対してメリルリンチやJ.P.モルガンは買収はないだろうとし、むしろディレクTV(DirecTV)の方が買収対象にふさわしいと述べています。
買収する場合の狙いは衛星放送サービスの統合と加入者取り込みにあります。AT&Tの公式サイト(att.com)を見ると、そのタイトルは「DSL Internet, Phone, Wireless and Satellite TV Services」となっており、現在のAT&TにとってADSL通信事業がかなり重要であることが分かります(携帯じゃないんですね)。アメリカではADSL通信事業者はケーブルテレビ(CATV)にかなり押されており、対抗すべく衛星放送サービスとの協力を進めています。また、EchoStarやDirecTVは最大手CATVには負けるものの、いずれも1,000万以上の加入者をもつため、AT&Tの通信サービスに取り込みたいと考える可能性はあります。
ちなみに、今回の買収予測額をEchoStar加入者数で割ると、2,140ドル/加入者となります。日本円にして25万円。株価を基にした試算だろうとは思いますが、すごいですね。
まあとりあえず噂ということで。
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