2008年03月
NASAで、「ジェネレーションYの全体像(Generation Y Perspectives)」というプレゼンテーションがなされたそうで、一部で話題だそうです。
内容はジェネレーションY(en.wikipedia.org)と呼ばれる世代がNASAにあまり興味をもっていないが、持つべきであり、そのためにNASAはどうアプローチすべきか、というものです。書いたのはNASA内部のジェネレーションYの一部(見た感じだと、おそらく最高齢層)の4人です。
(なお細かいことですが、ジェネレーションYについてはWikipediaでは1980~1994年生まれとしていますが、このプレゼンでは1977~2000年と、少し広く見ています)
詳細については中身を見てもらうとして、概略は次のような感じでしょうか。
- ジェネレーションYはNASAとつながっていない
- しかし、つなげるべきである。なぜならNASAの行うことは皆にとって重要だから
- ジェネレーションYは労働人口に結構な割合をもち、それは今後さらに増大する
- ジェネレーションYは様々な、これまでとは違う性格をもつ。特に以後の内容に関して重要なのは、次の2点
- 辛抱強さに欠ける
- 「リアリティ番組(Reality TV)」(いわゆる「サバイバー」のような番組)の影響を受けているので(?)、「誰もがスターになりうる」「誰もが発言を行うにふさわしい人物である」という考えをもっている
- ジェネレーションYを含む全世代を引き込むためには、彼らを理解し興味を持たせなくてはならない
- ジェネレーションYと議論し、彼らをNASAのミッションに参加させなくてはならない
- ジェネレーションYがなじむメディア(主にネット上の今時サービス、「ソーシャル・メディア」)を使ってコミュニケーションをとるべき。素早く
- 我々(書いた4名)はtwitterやfacebook(SNS)などのコミュニケーション手段をNASAと繋いできた。わずか4名、わずか4ヶ月で
- しかし、コミュニケーション手段の唯一解はなく、様々なチャレンジが必要だ
- そのチャレンジにはジェネレーションYを含めてもらいたい
アメリカ司法省がXMとシリウス(Sirius)という両衛星ラジオ社の合併を認めたことなどを受け、調査会社の人(アナリスト?)が今後の合併を予測したというものです。
この予測では、次の組み合わせで合併がおき、その後地上の携帯キャリアなどと合併するとみています。
- インマルサット(Inmarsat)とMSV(Mobile Satellite Venture)
- ICOグローバル(ICO Global Communications)とテレスター(TerreStar)
- グローバルスター(Globalstar)とイリジウム(Iridium Satellite LLC)
あくまで予測であり、当たるかどうかは分かりません(主の移動体衛星通信事業がまだ始まっていないMSVやTerreStarも含まれていますし)が、とりあえずメモしておきます。
- NASA長官、科学ミッション統括リーダー変更をアナウンス(nasa.gov) ※公式
- NASA科学統括、職を降りる(spacetoday.net)
- ウェイラー、NASAの科学統括の地位をスターンから引継ぎへ(space.com)
- 全米惑星協会による、アラン・スターンのNASA辞職に関する声明(planetary.org)
- アラン・スターン、NASAを去る(nasawatch.com)
NASAで科学ミッション関係のトップを務めていたアラン・スターン(Alan Stern)氏が、わずか1年で職を辞することになりました。原因は表明されていません。後継には暫定で、ゴダード宇宙飛行センターの局長であるエド・ウェイラー(Ed Weiler)氏が就任します。
Stern氏の辞任の原因については、グリフィン(Griffin)長官が計画を変えて科学ミッションの予算をカットするため、という噂もあるようです(spacetoday.netの記事)。また、nasawatch.comには匿名化されたNASA内部メールの一部が引用されています。
he said that the management issues were about cost control and that he did not see a way for him to do what needs to be done.
(彼(文脈からStern氏と推測されます)によれば、管理職の要はコスト管理であり、彼は必要とされることを実行する方法を見つけられないとのことでした)
個人的には就任後1年で見切ってしまうのもどうかと思うのですが、実際にあったことが不明な以上、相応の理由があったのでしょうという話になるところでしょうか。
アメリカの衛星ラジオ2社が合併案を示していた件で、難関とされていた司法省が3月24日に合併を認める結論を出しました。特に合併に際しての制約条件もありません(独占が問題となりうる合併・買収では制約条件がつけられることも多いのですが)。合併までには、まだ通信委員会(FCC)の許可が必要です。ハードルとしては司法省の方が高いようですが、FCCで何らかの条件がつくかもしれません。
合併には地上波ラジオ局から反対の声があがり、司法省による判断が行われたわけですが、司法省側は最終的に衛星ラジオも地上波ラジオもネットラジオも、あるいは(iTMSなどの)音楽配信などが総合的に競争していると評価したようです。
とはいえ、XMとシリウス(Sirius)の両社はかなりの違いをもちます。衛星の軌道すら異なります(XMは静止軌道、Siriusは北米での受信効率を高めた傾斜させた軌道です)。合併して素直にコストが下がり経営が健全になるかというと、なんともいえないような。
- 連邦政府、カナダのトップ宇宙企業売却案に関する裁定を延期(ctv.ca)
- カナダーム(宇宙ステーション用ロボットアーム)やレーダーサットの米兵器メーカーへの売却案についての裁定、30日間延期(cbc.ca)
- 「アクセス拒否」MDA社の宇宙部門売却が行われた場合、アメリカの法律によりカナダからのレーダーサット2のデータへのアクセスは制限される見込み(newswire.ca)
- MDA売却案の審査は、主権問題とカナダ宇宙産業の保護に関する明確な回答を提示しなければならない(liberal.ca)
- カナダ、MDA売却について決定を延期(spacetoday.net)
カナダMDA社が、宇宙部門をアメリカATK社に売却するという話について、カナダ政府は裁定を30日間延期しました。
なんとなく、ちょうど国際宇宙ステーションにデクスター(Dextre)ロボットアームが取り付けられるなど国民の宇宙開発に着目している時期を外す意図を邪推してみたりします。cbc.caの記事(2つ目)の後半にあるように、実際問題としてカナダの宇宙予算があまりにも小さいのは事実ですし。
全世界で使える衛星携帯といえば(いずれも一旦会社更生法から再建しましたが)イリジウム(Iridium Satellite LLC)とグローバルスター(Globalstar Inc)です。
両社はいずれも2000年周辺で現行の衛星を打ち上げたため、そろそろ耐用年数の限界が見えてきています(Globalstarに至っては「グローバルスター、予想以上の通信装置劣化で黄信号」で書いたように衛星の不具合が出ています)。
このため、両社は次世代衛星の準備を進めているわけですが、その現状の一端が上の2記事です。
ちなみにIridium NEXTのメーカー候補は米ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、米スペース・システムズ・ロラール(Space Systems Loral)、仏伊タレス・アレニア・スペース(Thales Alenia Space)です。いずれも現行のIridiumまたはGlobalstar衛星を手がけた会社ですね。
ご冥福をお祈りいたします。
人類が月に再び行くことさえ2010年代後半以降という状況なのはちょっとさびしい状況といえますが、スパイ衛星レベルの商業的な衛星が飛び回るという描写(2010年でしたっけ)は一応当たっていますね。
- ヨーロッパ、最初のATV(輸送機)を国際宇宙ステーションに向け打ち上げ(spacetoday.net)
- 日本のモジュール、国際宇宙ステーションに加わる(spacetoday.net)
- 宇宙飛行士達、船外活動によりデクスターを取り付け(spacetoday.net)
今のところ全部順調(ATVのドッキングはまだですが)なようで、おめでとうございます。
ちなみにカナダのロボットアーム「Dextre(デクスター)」は隣国でも騒がれ、代名詞が「それ(it)」ではなく「彼(he)」になっていたりするようです(nationalpost.com)。見た目もインパクトありますしね……
中国の衛星攻撃実験以来、アメリカ軍は何度もこれを取り上げていますが、今回の記事もそういう話の一環で、RAIDRS(早期攻撃同定・検出・報告システム、Rapid Attack Identification Detection Reporting System)のブロック20(Block 20)がコンセプト段階ながらも検討されています。
RAIDRS自体は既にプロトタイプ版が動いていますが、Block 20はそれをアップグレードしたものとなります。現行のRAIDRS(RAIDRS Block 10)は、商業的な衛星通信(例えばインテルサット)が正常に通信できているか、逆に言えば妨害されていないかをチェックするもので、もし妨害されていれば、その妨害電波発信源をつきとめることができます。
これに対してBlock 20ではアメリカ軍や、他の省庁(ミサイル防衛庁MDAや国土安全保障省DHSあたりでしょうか)も含めて監視対象とし、さらに実に様々な情報を組み合わせて脅威を検出するというものです。使う情報には宇宙天候やら早期警戒衛星の情報、果ては諸諜報機関からのデータも組み合わせるというもの。正直なところ、喧伝するような内容で、なおかつまともに使えるシステムが組めるのか疑問なしとはしませんが……。
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